ジョージア料理全般に共通しますが、厳格に「これがシュクメルリ」という定義はなく、言ってしまえば概念に近いものです。
時代、地域、店舗、国によってもその形は変わり「シュクメルリは何か」と問い詰めれば起源から辿り、壮大なストーリーとなるのです。
気軽な気持ちで「シュクメルリってなんだろう」とこの記事にたどり着いた方に対して一言で説明するにはそれはそれはもう…一言で言えば、シュクメルリはグリルチキンのガーリックミルク煮です。
と、いうことで本記事ではジョージア在住者、週に2回はシュクメルリを食べるシュクメルリストが解説します!
シュクメルリとは?
このシュクメルリが食べられるお店:Salobie BiaI(Tbilisi)
シュクメルリとはジョージア国発祥の伝統的な鶏肉料理です。
原材料は主に鶏肉、ガーリック、牛乳。
作り方はとてもシンプルで、砕いたガーリックとミルク、水を合わせたもので表面をバターでカリッと焼いたグリルチキンを煮るだけです。
赤土で出来た土鍋Ketsi(ケッツィ)で煮込む方法が伝統的であり、レストランにおいても多くの場合そのケッツィを器として提供されます。
このシュクメルリが食べられるお店:GHEBI(Tbilisi)
ミルクの代わりにクリームを使うことや、オリーブオイルをベースとしたタイプもメジャーなシュクメルリです。
現地在住の日本人は「白いやつ」「透明なやつ」と呼んでいます。
シュクメルリはたしかにジョージアの伝統料理ではありますが、現地人が日常的に食べるものではありません。
日本人が毎日伝統料理を食べるわけでもないことを考えると納得がいきます。
ちなみに日本人がシュクメルリを知っていると「なんでそこいった!?」というリアクションを受けることも多いです。具体的には99%くらいの確立で。
日本におけるジョージア料理の認知度では三本の指に入りますが、ジョージア人からすると指が10本ほど必要なのです。
シュクメルリの発祥
このシュクメルリが食べられるお店:Wine Garden(Tbilisi)
シュクメルリは、かつてコーカサスの各地にあった類似した鶏料理が、現在のジョージアのラチャ地方シュクメルリ村に伝わったことから、村の名前が付いたとされています。
日本のラーメンや香川のうどんのように、地方や店舗によってその姿も味も異なるので、食べ歩きを楽しめるという要素も持っています。
近年は海を超え遠く離れた日本まで広まり、東洋におけるシュクメルリはホワイトシチューへとその姿を変えました。
ジョージアサイドからすると、海外に留学に行った幼馴染がすっかり変わった姿になったような寂しさ、嬉しさ、感慨深さがあります。
シュクメルリのまとめ
このシュクメルリが食べられるお店:Tiflis(閉店)
シュクメルリがシュクメルリ村に由来することは意外だったのではないでしょうか。
ジョージア観光、移住の際はぜひシュクメルリ村でシュクメルリを堪能してみてくださいね!でもけっこう行くの大変です!
- グリルチキンのガーリックミルク煮
- 鶏肉を使ったジョージアの伝統的料理
- 主な食材は鶏肉、ガーリック、牛乳
- 現地人は日常的に食べない
- 「白いやつ」「透明なやつ」がある
- シュクメルリ村の発祥
- 日本に渡ってホワイトシチューとなった