誰しもスポーツや交通事故などでケガをする可能性はあると思います。
国内なら家族や友達に頼ったりお願いしたりすることができますが、海外で1人の状況のときにその状況になったらどうしますか?
日本からジョージアに来て間もない状況の中、バスケット中にアキレス腱を断裂した「たかさん」。
ケガをしたときの状況やジョージアでの入院・手術、通院や保険申請までの流れなど、たかさんの実体験を詳しく伺いました。
インタビューした人:がくと (@gakkun_5taste)
インタビューに答えてくれた人:たか (@nsk8z)
まずはお互いの自己紹介から
ジョージアに来てバスケット中にアキレス腱を断裂した「たかさん」(画像左)。ケガをしたときの状況から、入院・手術、そして現状までのお話を伺いました。
はじめにお互いに自己紹介をしましょうか。名前とジョージアに来た理由、その他補足事項あれば随時という形でいきます。
この先ちょっとモヤモヤしていて、このまま続けていくのは、自分の将来的にも、何か夢がないなと思いました。何か海外に行ける仕事ないのかっていうのを調べてまして、そこでノマドニアというのを見つけて、会社を辞めて、ノマドニアに参加しました。
ケガをしてから帰るまでの話
ジョージアでケガをしたと伺いましたが、そのときの状況を教えてください。
どうやってケガをした?
プレーする前は一通り身体を動かして、シューティングやジョギングをしていました。プレーを始めて、移動のために、足を踏み込んだんですね。そのときに衝撃とともに何かブチッとしたような感じがありました。
はじめは、誰かがボールを当てたのかなと思ったんですけど、周りに人がいなくて、ボールもない状態だったので、そのままちょっと立ってられなくて、倒れてしまったって感じですね。
ケガをした直後
なんかブチっていったけどこれ切れたのかなと思って、休憩しているときに、何か調べる方法はないかなとケータイで調べていたら、トンプソンテストがありました。
ふくらはぎを触って足首が動くか動かないかを試してみたら動かなかったので、これは切れてしまっているという感じになりました。
その日は、切れたっていうことがわかったので、帰るということで、タクシーを呼んで、足を引きずりながら、タクシー乗り場まで行きました。
帰宅後
また、帰宅後にされたことはありますか?
17.18日は右足アイシングするんですけど、腫れは治まらず、歩くのもふくらはぎが圧迫されて、足首を動かすことができず、結構苦労するっていうところでしたね。
病院での話
病院での状況をお伺いします。
病院に行って診察を受ける
急遽入院することに
その日は寝たんですけど、困ったこととしては、急遽の入院だったので、ケータイを充電することができないので、そこは用意して行った方が良かったのかなと思いましたね。ただ、モバイルバッテリーがあったのでまだ良かったです。
少し話が戻るんですけど、さっき看護師さんが1時間に1回確認してくれると、仰ってたじゃないですか。それは体調やトイレのことも聞いてくれたんですか?
手術
自分自身でも切れたっていう時点で、手術すると思って診察しには行ったんですけど、何も準備していなくて入院っていうのが、ちょっと認識なかったですね。
海外で1人じゃないですか。誰かに頼んで持ってきてもらうっていうのもできないので、これはちょっと苦労しましたね。
手術後
13時くらいに目が覚めて、めまいと吐き気があって気分が悪い状態でした。
ランチがあってハンバーグだったんですけど、それもちょっとすら食べることができず、気を失うって感じでした。手術前は食べることも飲むこともできないです。気分が落ち着いたのが16時くらいでした。その日に退院できると思っていたら、退院は明日と伝えられました。
アキレス腱部分が切ってあるので、クッションの上に足を置いただけでも圧迫されて少し痛かったです。
その日は夕食まで出て、ソーセージが出されました。病院なので薄口かと思ったら、しょっぱいソーセージが出されました。そこはジョージアだなって感じです。まずくはなかったです。
ジョージア料理はなかったです。
ジョージアは1年滞在できるから、長期治療も安心してできるなとは思ってましたね。
退院前に右足の内腿の筋をアキレス腱に移植したと聞きました。内腿が痛かった理由がここでわかりました。
他に処方箋を聞いて、次回来る日の方の確認をしました。薬と松葉杖は病院になくて、近くの薬局で買わないといけなかったです。
実際にかかったお金の話
保険
電話するのにフリーダイヤルが必要で、海外の電話だとフリーダイヤルができないので調べました。
そうしたら、my050というアプリがあって、フリーダイヤルであれば電話できるということでこちらから日本に電話しました。
>> エポスカード海外保険
>> my050
費用
総額は5,700.23ラリ(約32万円)でした。
内訳は、以下のような感じです。
- 診察、入院、手術費用:5445.66ラリ
- 処方箋、薬費用:213.87ラリ
Arcoxia:
骨関節炎や関節リウマチの治療に使用される薬剤で、痛みや炎症を軽減
夕食後に1日1回 7日間 19.1ラリ
Arixtra注射:
静脈血栓塞栓症の発症抑制
24時間ごとに10日間 127.26ラリVarixanil:
静脈瘤の症状である、脚の痛み、むくみ、かゆみなどを軽減
夕食後に1日1回 3週間(21日間) 58.38ラリエマネラ(エソメプラゾール):
胃酸の分泌を抑える薬
夕食後に1日1回 10日間 9.13ラリ - 杖:43.2ラリ
エポスカードで海外保険が使えて、上限200万円まで補助が出ます。保険の有効期間は出国から90日間で、事故後180日間の医療費を請求できます。なので、出国後90日ギリギリで事故にあっても180日間は医療費を請求できます。180日以降もリハビリ等が続くのであれば、それは補償されないです。
必要なものは、以下の2つです。
- 各請求書
- 診断書(請求合計30万円以上の場合必要)
*今回は、32万円かかったので必要ですが、まだ受け取ってません。
生命保険にも入っており、そちらでも請求できるみたいですが、エポスの海外保険と併用できるか不明であり、現在は確認できていないです。生命保険も請求書と診断書が必要になってくると思うので、コピーで良いのか確認が必要です。生命保険の場合、他にも生命保険側の規定用紙が必要で病院で書いてもらわないといけないため手間がかかります。書いてもらった物を郵送で送らないといけないです。用紙をプリントアウトするのと郵送で送るということでかなり手間です。それを考えるとエポスの方は請求書と診断書を持って、日本に帰ったときに提出すれば良いので易しいですね。
現状の話
退院後の通院や日常生活についてお伺いします。
通院
退院後週一回通院しています。現在2回通院しました。3回目が二週間後です。
通院の内容は、こんな感じ。
- 包帯の巻き直し
- ギプスの交換
通院は、入院した入口ではなく別の場所にあります。(写真参照)
通院している間は、頻繁に動かすことやマッサージは禁止です。結構腫れるし、脚をぶつけられないし、膝を曲げた状態でギプスの重みがかかるので結構しんどいです。
立つと血行が足に行くのでパンパンに腫れて痛みが増します。基本、家にいるときはクッションで足を心臓より上げて寝ています。
日常生活
シャワーは入れていないです。ウエットシートで身体を拭いています。大きい浴槽やシャワー室なら袋等をして入れるが、狭いシャワー室なので、入りにくいです。
セキュリティの門があって入って来れないです。生活する上での注意点は、
- 慣れない杖での転倒の恐れあり(とくに段差注意)
- 食糧の確保
- シャワーに入れないのでウエットシート大量確保
- ゴミ出しができない
- 頻繁に断水が起こるため水不足
- 時々ガスが止まるのと停電
- 水は買いにいけないので水道水を飲んでいる
- SPARが近く(7m)にあるが両手が塞がり荷物が持てないため買いにいくのが大変
- メイドを雇いたかったが日程が合わず来てくれない
最後に
お話を聞いた感じ、パニックや手遅れだったことはなさそうでしたが、こうしておけばよかったと思っていることはございますか?
自分でトンプソンテストを行って、切れている疑惑があった中で救急車は呼ばずタクシーで帰ったことについて医師から何か言われましたか?
歩いてしまったことで完全に切れたかもしれないですが、トンプソンテストで足首が動かなかったので、すでに切れてた可能性が高いです。
運動することはいいことなので、これから寒くなりますし、十分ストレッチをしてからスポーツを楽しんでもらえたらと思います。
ありがとうございます。海外で一人の状態でケガをするというのはとても不安だと思います。その中で、病院を探し、入院や手術を経験するという貴重な経験をお話いただけたことに感謝いたします。
また、今回お話していただいたことは今後ケガをしてしまった人に活きてくると思います。改めて、本日はお時間いただきありがとうございました。
この記事を書いたひと:がくと
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